【Python】ブール値（True、False）の確認・判定（真理判定、bool関数）

Pythonでは真理値（真偽値）をブール値FalseまたはTrueで表します。
どのオブジェクトもTrueまたはFalseとして判定でき、if文などの条件に使用できます。また、組込み関数bool()を使うとオブジェクトを真理判定に基づいてブール値に変換することができます。
本記事ではbool()によるブール値の確認方法、およびPythonの真理（真偽）判定についてまとめます。

ブール値
bool関数の使い方
オブジェクトの真理（真偽）判定について
環境
まとめ

ブール値

ブール値は定数オブジェクトTrueとFalseの2つのみをとります。これらは真理値（真偽値）を表すために用いられます。

>>> type(True)
<class 'bool'>
>>> type(False)
<class 'bool'>

また、ブール値は数値処理の中で使われる場合はそれぞれ、

True →　1
False →　0

と同様に扱われます。

>>> 1 + False
1
>>> 1 + True
2

bool関数の使い方

組込み関数bool() は、オブジェクトや演算式等を真理値判定に基づいて、

真の場合：True
偽の場合：False

に変換します。

使い方は下記の通りです。

bool([x])

引数xは判定したいオブジェクトや演算式を設定します。
具体例を以下に示します。

>>> x = "ABC"
>>> bool(x)
True

>>> a = 1
>>> b = 1
>>> bool(a == b)
True

>>> a = 1
>>> b = 2
>>> bool(a == b)
False

オブジェクトの真理（真偽）判定について

Pythonのオブジェクトは真理値（True または False）として判定できます。
Falseとして定義されたオブジェクトを除き、デフォルトではTrueとなります。

>>> x = 10    # 整数
>>> bool(x)
True

>>> x = 'abc'    # 文字列
>>> bool(x)
True

>>> x = [1, 2]    # リスト
>>> bool(x)
True

>>> x = {'a', 1}    # 辞書
>>> bool(x)
True

>>> class Myclass:    # クラス
...     a = 1
...
>>> bool(Myclass)
True

オブジェクトが下記を定義していた場合はFalseと判定されます。

__bool__() メソッドが定義されていて、それが False を返す場合

>>> class Myclass2:
...     def __bool__(self):
...         return False
...

>>> x = Myclass2()
>>> bool(x)
False

__len__() メソッドが定義されていて、それが 0 を返す場合

>>> class Myclass3:
...     def __len__(self):
...         return 0
...
>>> x = Myclass3()
>>> bool(x)
False

以下の組み込みオブジェクトはFalseと判定されます。

Falseと定義されている定数： None, False

>>> bool(None)
False
>>> bool(False)
False

数値型における0: 0, 0.0, 0j, Decimal(0), Fraction(0, 1)

>>> bool(0)
False

>>> bool(0.0)
False

>>> bool(0j)
False

>>> import decimal
>>> bool(decimal.Decimal(0))
False

>>> import fractions
>>> bool(fractions.Fraction(0, 1))
False

空のシーケンス、コレクション：””, [], (), {}, set(), range(0)

>>> bool("")
False

>>> bool([])
False

>>> bool(())
False

>>> bool({})
False

>>> bool(set())
False

>>> bool(range(0))
False

またオブジェクトの真理判定は、if文やwhile文の条件やブール演算の被演算子として使えます。

if文の条件

>>> if 'abc':    # 'abc'はTrue
...     print("It's true")
... elif False:
...     print("It's false")
...
It's true

>>> if "":    # ""はFalse
...     print("It's true")
... else:
...     print("It's false")
...
It's false

ブール演算（or/and）の被演算子

この場合、被演算子のうちの一つが返るので注意が必要です。

# x and y:	x がFalseなら x, そうでなければ y
>>> "abc" and ""
''
# x or y: x がFalseなら y, そうでなければ x
>>> "abc" or ""
'abc'

＜参考記事＞

[Python]論理演算 and, or, notについて

Pythonの論理演算子（or, and, not）は、一般的なorやandの考え方と少し違う部分があります。本記事ではそのあたり注意点も含めて、まとめました。

環境

OS: Ubuntu20.04LTS
Python3.9.7

まとめ

標準組込み関数bool()を使って真理値判定（True or False）の結果を確認することができる
オブジェクトはデフォルトではTrueを返すが、Falseを返す様定義されたクラスや標準オブジェクト（数値型の0や空のシーケンス）もある
参考資料公式リファレンス – 組み込み型 – 真理値判定